メンヘラ女子の珍道中

統合失調症、躁うつ病のアラフォー女子が、闘病生活を振り返って色々書きます。

経験者が勧めるメンタルクリニックを選ぶ方法

精神病の病院選びは、他の病気以上に慎重になりがちです。目に見えない病を扱うので、名医に診てもらいたいと思うのは当然のことです。しかし、精神病と20年近く付き合っている私からすれば、そういったことは実は二の次になります。

 

いろんな意味で通院しやすい病院を選ぼう

どんな病院であれ、まずは通院できるところでなければなりません。しかも精神病は数回病院に行って治るようなものではないので、いろんな意味で通院しやすいところを選ぶべきです。また、体調が悪い時こそ行ける病院でないと意味がありません。そういった意味で通院のハードルが低いところを選ぶのです。

 

距離的に近く、交通の便がいいところ

まずは、何よりも物理的に通院しやすいところです。自宅からなるべく時間がかからず、簡単に通院できるところを選びましょう。よく、評判のいい医師がいる病院まで何時間もかけて通院している人もいますが、そういったところにかかっていても、いざ体調を崩してしまった時に診てもらえなかったり、家族に連れて行ってもらいながら通院しても、後々の自立に繋がらなかったりします。

 

私の場合、家からバスで15分程度の個人クリニックにお世話になっていますが、過去に「日本一の名医」と評判になっていた医師に診てもらうために、県外まで行きました。その時には、近所の医師の診断書を持ってセカンドオピニオンとして行ったのですが、そうしたのが正解であったと感じています。今まで全く調べられてこなかった検査をしてもらい、診断名も聞いたこともないような名前で告げられたのですが、とにかく今の主治医を信じて治療を続けていいとお墨付きをもらえたからです。

 

名医に診てもらうために、引っ越しまでしたという話も聞きますが、それぞれの事情でそうすることが得策とはならないケースがほとんどです。なので、まずは近所の病院を選ぶことをおススメします。

 

通院後に気持ちがすっきりできるような病院

次に重要視したいのが、通院後に気持ちがすっきりできている病院を選ぶことです。これは通院への気持ちのハードルを下げる意味で大切です。

医師との相性

ヤブ医者でないことが前提ですが、医師との相性は多少見る必要があるでしょう。なぜなら、自分の症状を告げてそれに対応した診療ができないと意味がないからです。

 

歯車のあった診療ができているかは、薬を飲み続けて初めて分かるものです。精神科の診察は一定の期間をあけて変化を見ながらするものなので、受診の度に医師と現状を共有していく中で症状が改善していきます。なので、診察の時にちゃんと医師とコミュニケーションが取れて、継続的に通院できなければなりません。そういった理由で、ざっくりと「診察後にすっきりできる主治医」がいいのです。

 

ただ、医師との相性はすぐには決めない方がいいです。医師と患者であれど人間と人間。人間関係の形成は一朝一夕ではできません。しばらくは様子を見て関係を築ける相手かどうかも見ていってから判断するといいでしょう。

 

私の場合は、最初は同行した母が主に症状を話していたので主治医とは個人的に打ち解けられるように思えませんでした。今でも病状や薬に関すること以外はほとんど話しませんが、その姿勢が逆に功を奏しながら診察が続いています。そして、何よりどんな時でも不思議と病院から帰った時は気持ちが少し楽になっています。その感覚が今の主治医でいいんだと、私にお墨付きをつけています。

 

また、少し余談でヤブ医者かそうでないかの見方ですが、必要以上の処方を出す医者でなければ、大丈夫でしょう。現行法で同じ系統の薬を多種類出すことが禁じられていたりもしますので、あまりにも大量の薬が処方されているなど心配になれば、薬のことを調べたりして違法な処方をしていないか確認してもいいですし、思い切って他の病院に変えてみてもいいかもしれません。

待合室の雰囲気

受診前の待ち時間は、体調が悪い時は特に鬼門になります。できることであれば、待合室では安定した精神状態でいたいものです。そういった意味で待合室である程度気持ちよく過ごせるかも考えるといいでしょう。

 

私も、まだ主治医と上手くコミュニケーションがとれているのかはっきりしない時に、気持ちの落ち着く待合室だったので、冷静に何を話そうか整理して待つことができたのを覚えています。待合室の雰囲気は盲点になりやすいですが、医師との関係性が上手く築けてない時はまずは待合室の雰囲気で通院し続けるかどうかを決めてもいいかもしれません。

待ち時間長さ

病院での待ち時間はある程度は妥協しなければなりません。しかし、病院によっては患者が同じ時間に集中しないよう予約制にするなど工夫しています。そういった待ち時間がなるべく短くなるような病院を選ぶことも、病院選びの一つの目安です。

 

私の場合、入院していた大きな病院に退院後通院していましたが、外来診察が午前中に限られる上に、予約制でもなかったので2時間以上待ちが当たり前で耐え切れずすぐに小さい病院に変えました。性格にもよりますが、最終的に自立して働きながら通院することを考えても、極端に待ち時間が長い病院は考え直した方がいいでしょう。

 

調子が悪くなったら臨機応変に対応できる病院がおススメ

前章で挙げた待ち時間の長さに関連しますが、予約制の病院はその性質上、急に体調が悪くなった時に診察に行きにくいというデメリットもあります。逆に言えば、予約制にしていない病院はそういった対応を念頭にしているのかもしれません。

                 

調子が悪い時に診てもらえなければ、病院の価値は半減してしまいます。私の通院している病院は、原則予約制ですが体調が悪いことを伝えれば、電話してその日の比較的予約が空いている時間帯に診てもらえます。そういった臨機応変に対応してもらえるような病院であればなお良いでしょう。

 

入院施設のある病院がいいとは限らない

精神病の治療をしている人の中には、入院がきっかけで通院し始めた人もいます。私もその中の一人ですが、入院をすると退院と同時に自動的にその病院を通院するようになります。入院していた時と同じ主治医の方がいいに越したことはありませんが、入院設備のある病院は数少なく、最初に挙げた条件の通院しやすい病院とはかけはなれてしまう病院であることもあります。退院後、しばらくはそれでもその病院に通院した方がいいでしょうが、通院に距離的な難しさを感じたら早い段階で近場のクリニックに転院することをおススメします。

 

理由は最初に述べたとおりです。通院しやすい場所に病院がないと、最悪体調が悪くなった場合、また救急車で運ばれるなどして入院という形でお世話になってしまうからです。もちろん、入院していた病院が近場であればその病院に通院し続けるに越したことはありません。しかし、入院設備のある病院が一番いいとは限りません。

 

調子が悪い時に通院できる病院を選ぼう

ここまで、病院を選ぶ条件をいくつか挙げましたが、そのすべての理由は調子が悪い時に通院できる病院でなければ、通院していても意味が半減してしまうということです。精神病の種類にもよりますが、体調が悪くなると数日で入院レベルまで悪化してしまいがちなのが精神病です。病院に行きにくいという理由で通院を一度抜かしてしまうと、次には入院対応しかなくなってしまう心配は十分にあります。一度入院してしまうと、体力も格段に落ちてしまい、退院しても社会生活に復帰するのにかなり時間がかかってしまうのが常です。入院はどうしても避けたい。そういった理由でも、いろんな意味で通院しやすい病院を選ぶことが大切なのです。