メンヘラ女子の珍道中

統合失調症、躁うつ病のアラフォー女子が、闘病生活を振り返って色々書きます。

精神病患者が経験した3つの障害者就労サービスの違い

障害者の就労については、長年「障害者の自立」を目指した政策が進んでおり、障害者は自分の障害に合わせて様々な形の働き方を選べます。私は精神病になってから、一般の正社員からアルバイトを含めあらゆる形態で働いてきました。

 

そこで今回は、私が利用してきた行政が提供する就労サービス3つについて、その特徴と違いを説明していきます。

 


私が利用してきた障害者サービス

私は今まで「就労移行支援」「就労継続A型」「就労継続B型」の事業所を利用してきました。

これらの事業所は公的サービスで、役所に申請して初めて利用が可能になるものです。しかし、事業所そのものは一般企業などが運営しており、事業所によって雰囲気など様々です。

 

就労移行

就労移行の利用期間は2年まで

まず、就労移行の特徴ですが、就労移行はその名前の通り就労に移行するための事業所なので、利用期間2年までという制限があります。2年間の間にどこかに就労を果たします。また、就労移行ではあくまで訓練をするので、工賃といったものは発生しないのが一般です。

 

就労移行の利用者はこんな人

就労移行では、働いたことのない障害者が社会活動に参画したり、長期的に休んでいた障害者が再就職するために体調などを整えたりします。

 

主な訓練内容

訓練は大きく、生活リズムなどを整えて安定した通所を実現することと、社会人として身に着けておくべきマナーなどを習得すること、実際に就職活動をする中で履歴書の書き方や面接対応を学び実践することに分かれます。

 

事業所によって、どれに重きをおいているかや細かい訓練内容は様々です。

 

就職後のサポートもある

私が利用していた時はまだなかったのですが、就労移行にも就職を果たすだけでなく、その後のケアも続けるプログラムが盛り込まれています。もし、もう少し後に私も利用していれば離職することもなかったかもしれません。

 

就労継続A型・B型

就労移行との違い

就労継続A型・B型は就労移行と違って、利用期間に制限がありません。つまり永続的にりようすることも可能ということです。また、作業内容も就労移行は学ぶことがほどんどなのに対し、就労継続A型・B型は実際に仕事をするという面を持ちます。したがって、就労移行と違い、工賃というものが発生します。

 

A型、B型の違い

A型とB型の大きな違いは、事業所と利用者が雇用関係で結ばれているかどうかです。この違いだけで、特性や工賃なども違ってきます。

 

就労継続A型事業所

A型は雇用関係を結ぶので、最低賃金が保証されます。したがって、みっちり働くと月々10万近い工賃を得ることも可能です。

 

A型もB型も利用するだけで事業所にお金が入りますが、それは工賃にあててはならないという決まりがあり、工賃はあくまで仕事の報酬のみで支払われます。つまり、A型の場合、最低賃金にみあった仕事をしないといけないので、その分休みが許されなかったり高度な仕事内容を要求されたりします。

 

さらに、毎月8日は休日が保証されますが、工賃を安定させるために、何月でも8日だけの休日を目標とさせる事業所が普通で、祝日がなかったり、祝日を休みにする代わりに土曜出勤があったりします。

 

出勤時間は、事業所によって細かくは違いますが朝9時~昼3時まで、昼休憩1時間の5時間勤務が一般的です。

 

就労継続B型事業所

B型事業所は、雇用関係を結ばずに働くので最低賃金の補償がなく、時給が限りなく低くされがちです。その代わり仕事内容が体調に合わせて調整しやすかったり、ストレスがかかりにくい楽なものであったりします。また出勤にも縛りがなく、週1からの出勤も可能で、同時に休みも取りやすいです。

 

昔から想像されやすい「作業所」というものは、このB型事業所のことで、とにかく工賃の低さが問題視され続けており、事業所の中にはそういった問題解決に力を入れるところも近年ちらほら見ます。一般的には時給100円台ですが、中には日給1000円のところやそれ以上のところもあります。

 

自分にあった働き方をしよう

就労移行も就労継続も一般企業等への就職のための訓練機関です。就労移行が一番早道ではありますが、期間に縛りがあるので、ゆっくり就職を目指したければ就労継続B型にまず通所することもいいでしょう。

 

また、就労移行から就労継続A型・B型にステップアップという意味で移動するという選択肢もあります。特にA型はハローワークの求人票にも載るので、就職するという感覚で利用してもいいのです。

 

さらに、就労移行は2年間の縛りがあると伝えましたが、一定の期間が過ぎて役所の審査を通過すれば、2年使い切っていたとしても、再度2年間まで就労移行を利用することもできます。つまり、就労移行を使い切り就職が果たせず、就労継続などに移ってしまったとしても、また就労移行で就職に向けてチャレンジすることもできます。

 

このように、就職・就労のための様々な特徴のサービスがあります。ぜひ、自分の体調にあった働き方で選択していっていただきたいです。