【経験者が解説】精神科デイケアはこんなところ
精神科デイケアというところを知っていますか?
「デイケア」といえば、高齢者が日帰りで利用する施設ですが、
精神病を患った人だけが利用する日帰りの施設があるんです。
精神科デイケアは、
デイケア、ショートケア、ナイトケア、デイナイトケアの
4種類あります。
この中で私は午前・午後のデイケアを利用しました。
その経験から、「デイケアでは、どんなことをするのか」を中心に
ご紹介します。
精神科デイケアはこんなところ
精神科デイケアは、入院施設のある大きな精神病院が運営しているケースが多いです。
目的
精神科デイケアは、精神病の再発を防ぐことが目的です。
軽い運動をするプログラムが組まれていたり、利用者同士でコミュニケーションがとれるような時間がとられていたりします。
費用
費用は一日当たり2,000円前後ですが、自立支援制度を利用すれば、1割負担、つまり200円前後ですみます。
さらに市区町村によって、その1割を負担してくれるところもあるので、実質無料になることもあります。私が住んでいる広島市は負担してくれるので、費用はかかりませんでした。
精神科デイケアはこんな人におススメ
長期的に入院などの療養していた人
私の場合は閉鎖病棟を含めて入院を2か月ほどした後に、精神科デイケアを紹介されました。
当時、私は20代。
まだまだ就職できる年頃ですが、大学時代に病気になって以来、まともに仕事なんてしていませんでした。
病気療養中も、ほとんど家の中で生活する形で、体力もなく、他人とコミュニケーションをとるような環境にもありませんでした。
そんな当時の私のような人にピッタリなのが、精神科デイケアです。
体力面
通所日数は週1回から5回まで、体力のレベルに合わせて少しずつ増やしていけます。
まずは、定期的に同じところに通うことができる体力をつける。
これを必要としている人におススメです。
対人面
プログラムの中に、SSTという人とコミュニケーションをとる時にどのようにしたらいいかを学び、練習するものがあります。
また、休憩時間もいっぱいあり、利用者同士で雑談できる時間もあるので、その中で自然と社会性も身に着けていくことができます。
私の場合、これが意外と慣れが必要と痛感していました。
昔だったら、そこまで考えていなかったのに、精神科デイケアに通い始めた最初のころは、デイケアで会話した内容が帰ってからもずっと頭の中をぐるぐるする感じでした。
これが、最初から仕事みたいな形で始まっていたらと思うととてもやり切れませんね。
年齢的に就職は厳しい一方で、定期的に通所する必要がある人
私の行っていた精神科デイケアの利用者の年代は、下は10代、上は70代と幅広かったです。
しかし、私の様にまだまだ治療を続ける中で、就職を目指せれるような若い人は限られていて、半数以上が年齢的に就職は諦めているような方々でした。
日常生活で仕事などやるべきことがないと、生活のリズムが崩れたり、惰性に流された生活を送ってしまったりしてしまいますよね。
そういったことが原因で、メンタルが不安定になりやすくなるのは簡単に想像できます。
少なくとも、毎日外出して人と話して体も動かす。
人間活動で必要なことです。
就職のためのリハビリだけではなく、継続して利用する目的も精神科デイケアにはあります。
また、私が通所していた精神科デイケアでは、お昼のお弁当が出ていたのですが、それも利用料に含まれて、実質無料だったので、お弁当をモチベーションにして通所していた利用者さんも多くいました。
精神科デイケアではこんなことをしました
午前10時から午後3時半までの利用時間では、利用者間でプログラムや休憩時間でいろいろなことをしました。
プログラムは午前と午後で1日2種類することができ、それぞれの時間で複数のプログラムが予定されていて、行った時にやりたいプログラムを選んで参加しました。
大人気だった卓球と大富豪
施設内には卓球台があり、たくさんプレーして上達したことが印象に残っています。プログラムとして卓球の時間が組まれてすることもありますが、休憩時間にやりたい人で遊ぶこともあったので、ほぼ毎日することもありました。
なので、かなり上手な人もいました。
卓球大会を開いて、順位を決めることもありました。
トランプの大富豪も流行っていました。
休憩時間になると、4~7人くらいがどこからともなく集まって遊んでいました。
ダイエットをしたい人の声から始まったヨガ
ヨガのプログラムもありました。
運動不足でダイエットもしたい人の声に作業療法士さんが勉強して教えてくれました。
こんな感じで、利用者がやりたいことにできる限りそうプログラム作りでした。
施設外のプログラムも
施設から車で移動するなどして行うプログラムもありました。
例えば、カラオケ、バトミントン、バッティングセンターがありました。
テニスもあり、これはプロのコーチが教えてくれました。
生活に必要なスキルの調理と掃除は必ずあった
月に1回調理の時間がありました。これは午前のプログラムに盛り込まれていて、全員参加で、できた料理をみんなでお昼ごはんとして食べるというものでした。
掃除は一日の終わりに、必ずしました。施設内には、畳のスペースやシンクもあったので、日常生活で必要な掃除のやり方も教えてもらいました。
精神科デイケアにはこんな職員さんがいる
精神科デイケアには、精神保健福祉士、看護師、作業療養士、臨床心理技術者の配置が義務付けられているようです。つまり、職員一人一人が何かのスペシャリストということになります。
自立支援でも、病院・薬局と同じ区分に分けられるくらいですから、他記事で挙げている就労支援施設とは違い、治療・リハビリの色合いが濃いです。
精神科デイケアは社会活動に戻る最初のステップ
私の様に、精神病で行くところまで病んでしまった人にとっては、精神科デイケアは社会活動に復帰する最初のステップにちょうどいいです。
就労移行や就労継続に直接行き始めることも選択肢の一つですが、それに挑戦しても上手くいかないのであれば、精神科デイケアの利用から始めてみることもできるのです。